とある起業家の日記的な雑記

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元蔵人が語る日本酒が出来上がるまでの作り方と工程とは!?

おちょこに入った日本酒

どうもこんにちわ!!最近寒くなってきましたね。熱燗でククっといきたい。そんな時期ですね!今回の日本酒なんですが元酒蔵の蔵人が日本酒とはどういうものなのかを紹介致します。

実は僕、酒蔵にいました

この日本酒なんですが飲みたいけど匂いがきつくて飲む気になれないとか味がアルコール飲んでるみたい・・・なんて思っている人

気になってはいるけれどいまいち飲むことができないなんて思ってる人は間違いなく見ましょう!!まずいと思っている人・・・日本酒のことを隅々までわかればきっと味からなにからガラッと変わります!!

今回はそんな悩みを解決して日本酒ってこんなに美味しいものなんだ~

ってな具合に変えてしまいましょう~

 

日本酒とは??

話せば長くなりますが簡単に言えば

←こうじを水に入れ時間をかけて発酵させ、熟成させたものが日本酒となる

簡単に今仕込んで明日できますというわけではないのだ

この熟成もしっかりとした、温度管理をしなければそれまでしてきたことがすべて台無しになってしまう。

日本酒ができる過程

 

蒸されている米

精米

皆さん知っている通り米ぬかをとり白いお米にする作業。この精米歩合によって甘い酒辛い酒の調整なんかもできたりする

酒に貼ってあるラベル表記にもこの精米歩合が記載されている

たくさん削ってあればそれだけ単価の高いお酒となる

浸漬

精米した米の汚れを取る作業、ここで米に水を染み込ませる具合により酒の味も変化したりする、この水を浸透させるのも職人の目利きが必要

麹造り

何といってもまずは酒になる原料からである。有名どころで言うと山田錦が非常に酒造りには愛称がいいとされている。米を蒸し、蒸した米は室(ムロ)と言われる40°くらいに湿度を保たれた部屋に運ばれ、菌を繁殖させる、行程に移る。

他に、酒母用も作られる

簡単に言うと、蒸した後に米自体に菌をかけてこねこね~してほったらかしていくと麹の完成!!ということである!!(この完成系の事を米麹という)

酒母

酒はただ麹だけをいれれば出来るものではない。

アルコールを出してくれる微生物!それが酒母だ!!酒母は酛場(もとば)という部屋で作られる。この酒母の役割を分かりやすく言うと、麹の糖質を食べ、アルコールを出してくれるような感覚。

知れば知るほどい面白いですよねww

 

仕込み

仕込みは,専用のタンクを使用し、この出来上がった麹を水を張ったタンクに入れてカイ入れという作業をし混ぜて熟成させていく。ここで酒母と麹が混ざり合いアルコールを出してくれる。ここで初めてアルコールの登場となる。またこの粕(酒母、麹)を漉していない状態をもろみと呼ぶ

この仕込みタンク自体も結構な大きさがあり4~5メートルくらいの大きさのタンクもある

僕も最初見た時はかなり驚きましたw(使用する前に洗うのだが、男性数人がかりで洗うのに30分くらいかかります・・)

はしごをタンク内にぶら下げてブラシでごしごしと力強く洗っていました

 

上槽(もろみ取り)

上槽これはタンクに入ったもろみと酒を分ける作業

層が何十にもなった大きな機械に通してザックリとだが、大きな個体を取り除いて液体と固体に分けていく。ここで分けられた個体は後に酒粕となり酒粕として売られることになる

濾過(ろか)1回目

続いては濾過(ろか)ここでやることは、主にタンクに入ったもろみと酒をさらに細かく分ける作業になる。濾過には濾過機というものがあり濾過機の中にフィルターをかませてもろみを取りながら酒ともろみを分けていく!この濾過機も技術的に慣れている人でないともろみが詰まったり色々と大変なことが多い機械なので注意が必要だ

間違って全部だめにしてしまったなんてことになると、今まで何か月もかけて踏んできた行程がすべて水の泡になるため、担当者は責任重大だ。

そのため毎回ヒヤヒヤしながら仕事に臨んでいる

1回目のろ過のあとは火入れという次の工程に移るが、後にもう一度2回目のろ過を行います。

 

火入れ(1回目)

大きな貯蔵タンク

ここで一度火入れという作業をする

この火入れをすることによりお酒の美味しい状態を保ち、貯蔵できる期間を長くさせることができる(酸素の働きを一時的におくらせるため)

※基本的に日本酒は2回火入れをするのが普通。後に瓶に入れてからもう一度火入れをし、計2回の火入れをすることになる

火入れをしない酒は生酒、無濾過などと呼ばれる。

火入れを終えた酒は次の工程に進むため、仕込みタンクから別のタンクに移され蔵人の管轄(かんかつ)を外れ次の部署の管轄にいくことが多い

織下げ(おりさげ)

こちらはしている蔵と、していない蔵に分かれるようだが、上槽し濾過をして

せっかくキレイになった酒に炭をかけて味のばらつきを整える作業をする蔵もある

また上槽、濾過(1回目)でも取り切れない不純物=織という米から出てくるどろどろとした液体を下にさげて固める作業も同時にこなす

織下げ剤には容量があり、一度自分の舌でテイスティングをして、いつもの味と同じになるようにここで炭をかけ調整をしたりもする

また織自体を膨らませる効果のある薬がある。ここで織を膨らませるのは、2回目の濾過の時に織が濾過機の層を通りにくくするためである

ここで織下げをしてから1日~2日待つと織がタンク下にしっかりと降りて固まってくれるため濾過がしやすくなり仕事がかなり効率化される

逆にこの織が固まっていないとこの次の工程である2回目の濾過の時に、濾過担当者はひどい目にあって「おい!!誰がこれ織下げした!?!?」なんて問題も起きることが多々ありました。。。

 

濾過(ろか)2回目

この濾過はほんとに最終的な濾過になりこの濾過が最終的な酒の状態を決めるといっても過言ではないくらい慎重かつかなりシビアな濾過になる。

ここを担当する濾過手は1回目のザックリとゴミを取る濾過なんてものではない。

たくさんの人たちの思いを背負い、味を利きながら店頭に並ぶ商品だという意識をもって業務に当たる

相当な精神力の持ち主でないとこの最終濾過は務まらないような気もする

やり方としては先程話した濾過機にフィルターをかませて、酒を通していく圧も調整して酒を通していく。ここで1回目の濾過と違うのは、織を絶対に通さないこと!!

織というのは話したと思うが基本的には 不純物に当たる。

フィルタ―から織が抜けているか抜けていないか吟味する必要があり、確認する方法は濾過機先端についている、検視ガラスというものがあり、織が抜けている場合ここが白く濁ってくる

 もっと細かく言うとこの濾過には層付けという砂で層を濾過機の中に付けるシビアな作業もある(この砂の層で織を取っていくということ)

酒の成分分析

濾過が終わったら酒の成分の分析をする。

  • 日本酒度(-甘い・+辛い)-表記のものは甘い+表記は辛い
  • アルコール度数(アルコール度数)
  • アミノ酸(うまみ成分)
  • 酸度(酸味の強さ)

大体だが、上記の成分の分析を行うのが一般的。やり方としては薬品を酒に混ぜ機械に通して分析をしていく

この分析によって出たアルコール度数を元に割り水をしていく

割り水・度数調整

濾過が終わった酒はすぐには出荷はできない。この時点での度数はだいたい酒にもよるが17度~19度くらいになっている。大体の市販酒は15度~16度の間に設定されている。ここには酒税法の絡みがあり、度数が高いものに関してはリキュール扱いになってしまう物もあるからだ

度数を調整する計算式

この割り水だが狙った度数にする方程式が存在する

現在の度数×酒のリットル数÷狙った度数

 

 ※例:現在の度数18度2000㍑での酒に対して15度にしたい場合

18度×2000リットル÷15度=2400リットル

現在のこの2000リットルの酒に400リットルの水を入れれば15度の酒になるということだ。

 

 瓶詰

 ここにきてやっと瓶にお酒が入ることになる。

タンクからホースで酒をひっぱりフィラという機械(酒を瓶に注入する機械)に入れ酒を注入していくここからは工場業務の流れレーン作業に移行する

火入れ(2回目)

ここでパストライザーという箱型の機械で2回目の火入れになる(無濾過酒、生酒はしない)市販酒に関しては基本的にこの2回火入れがメインとなる

酒によっては、火入れを1度しかしない場合、一度もしない場合と様々である

この火入れ温度も酒によって温度差があり、高いものでは40度の熱を浴びせる。

火入れといっても実際に火を入れるのではなく、熱い蒸気を瓶自体に噴射する

ラベル張り

火入れが終わり出てきた酒は、エアー(風)を浴びて水気を取られてラベルをはる機械の元へ運ばれて行き、ここでラベルが貼られる

出荷

ラベルが張られたら本当の最終工程の出荷作業になる

ここで、1本1本不良品がないか確認されて、箱の中へ(皆さんも見たことがあると思うが、酒屋さんなどにある1小瓶の入っているプラスチックの箱)に入れられて出荷される

まとめ

 

日本酒とおつまみ

 なかなかこのような内部の話を一般の方は聞けないと思うので、どのような工程で酒ができているかはわからないと思います

この工程をちらっと頭にいれた上で日本酒を飲んでみると、また一味違った美味しさを感じれるかもしれませんね!!

日本酒にはたくさんの手間と思いがつまっているんです!!